ゼロからイチを作って提案したものを喜んでもらう
HOTORI GYM by Bivvas 代表
月村 達也(ツキムラ タツヤ)さん
2020年7月、近江八幡に完全個室の本格プライベートジムをオープンされました。
近江八幡での創業の動機を教えてください。
極端に言えば、僕はジムじゃなくてもよかったんです。
僕は今33歳で、20代前半の頃はバンドマンとして全国で活動し、後半は東京に拠点を置いてサービス業に関する様々なことを学びました。
僕がやりがいを感じることは、自分でゼロからイチを作って提案したものを喜んでもらうことなんです。だからつくるものが音楽であっても、健康であっても、何でもよかったんです。
近江八幡は地元で、近江八幡から見た琵琶湖の景色が一番好きなんですよ。どこにいても夏は近江八幡に戻ってきていました。風の音だったり、波の音だったり「近江八幡から鳴る音」からフィーリングを受けてものづくりをしていました。
東京にいたとき、友達や仕事関係の人、ほぼ全員が「滋賀県には一度も行ったことがない」と言っていたことが悔しくて。僕が愛する琵琶湖・滋賀県に行ったことのある人がほぼいない。それで、自分自身が滋賀で影響力のあるひとになって、滋賀県の良さを伝えられるようになりたいと思い、滋賀に戻ってきたんです。
どうしてフィットネスジムを選ばれたのですか?
音楽の前はJリーガーを目指していたバリバリのスポーツマンでしたので、スポーツにも深く関わって来ました。東京の後はまた滋賀に戻って、スポーツショップの店員として働いています。そして、その時の先輩に誘われたのが、フィットネスに関わったきっかけです。長く続けられて、人に喜んでもらえることは何かと考えた時に、フィットネスの仕事をやろう、と思ったんです。
初めはスポーツクラブでトレーナーとして働き始めました。そんな中コロナ禍になって、会員さんが「密になるから行きたいのに行けない」という状況を目の当たりにしました。そんな状況を受けて、1年でも早く、マンツーマンで会員さんが安心して運動できるジムを自分で作るしかないなと思い、創業を決めました。
近江八幡商工会議所に助けてもらったこと
どうやって創業するのか1 mmも分かりませんでした。ネットで「近江八幡 創業」で検索したら近江八幡商工会議所に行きついて、右も左も分からない状態でとりあえず電話をかけてみました。
会議所にはテナントを探すところから助けてもらいました。人生で初めてテナントの内覧もして、こうして探すんだよって。新鮮でしたね。いろんなところから来てもらうなら駅に近い方がいいのかなと考えていた時に今の物件に出会って即決しました。
日本政策金融公庫の融資に関してもいろいろと助けていただいて。おかげで創業融資も受けることができました。
創業した後も記帳関係で助けてもらっています。そこも全くわからなかったので。POSレジのこととか、クラウド会計のこととか。初めからシステムをしっかり連動させることをすすめてもらって、今ではかなり助かっています。
仕事をしていて嬉しかったことは?
人の人生を変える仕事って、誰でもできるわけじゃないと思うんですよね。
一般的に僕らって「体を変える人」と思われている。もちろん、体を変えるところにフォーカスしているんですけど、体が変わると、自分に自信が出てくるんですよ。「月村さんのおかげで人生もっと楽しくなりました」とか、「周りから明るくなったねって言われました」とか、体を変えたことで心が変わって、価値観が変わって、人生が変わって、未来が変わったって、そういうことをお客さんに言っていただける。その人の人生の登場人物になれること、それが一番嬉しいですね。
2021年10月 守山に2店舗目をオープン。人材育成や今後の展開は?
従業員を雇って指導しながら、僕が今まで培ってきたサービスを人に任せて営業することももちろん初めてで。人を育てて良い関係を築きながら登りつめていくのってすごい難しいなと日々思います。
スタッフが二人いてくれるんですけど、ある程度自由に「自分のやり方で人を幸せにしてくれ」って言っています。「自由」の裏には「責任」もあるけど、その責任はチームで背負っていくものだとも伝えています。
だから僕としては共に成長している、という感覚で、育成という感覚はないんです。僕も成長するから置いていかれないように、っていうところを強く出してます。
創業してからこれまで、サポートしてくれる人のことを思うと、もう自分だけの人生じゃないなと思います。だから、より一層地域に貢献して、僕のサービスでたくさんの人に健康になってほしいなと思います。
これから創業する方へメッセージ
僕自身はまだ創業を語る立場ではなく、ともに事業を作る人という立場だと思っています。ただ一つ大切にしていることをいうなら、損得勘定にならず自分が人にどうなってほしいのか、自分がこのビジネスを通してどうありたいかっていう、その芯をブレずにもつこと。僕は「月村達也」という自分自身をブランディングして、SNSなどに載せています。ゼロからイチを作るっていう情熱を持って、それを滋賀から発信することで、滋賀にもそういう情熱を持った人が溢れてくると思うんです。滋賀県・琵琶湖に熱い情熱的な起業家の方がいるっていうのが、最終的に地域への貢献になる。それでまた横のつながりができたら、一緒に何かしましょう。まずは己の魂を強く持って自分を信じて欲しいです。